授業内容の補足・推薦図書の追加・言語学よもやま話など


by jjhhori

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「演習」について

新年度になり,久々の更新です.この半年以上,全く更新をしなかったのは,忙しかったこともありますが,一番大きな理由は,ここで披露すべきネタがなかったからです.しかし,開店休業状態でありながら,ここを見てくださっている方は,結構いらっしゃるようです.この授業をとっている人ならまだしも,この「裏番組」へのリンクは,ちょっと分からないところにありますので,外部からここに辿り着くのはなかなか大変だと思いますが,それでも,思った以上の人がご覧になっているのは,ありがたいことです(実際には,検索用のロボットがアクセスしているのかもしれませんが.苦笑).今年度は,授業とはあまり関係のないネタも少し披瀝し,更新の頻度を上げていこうかと少し思っています.

さて,ここからが本題です.この授業は,その名の示すとおり「演習」です.2年生の人の中には,「演習とは何ぞや」と思っている人もいるでしょうから,ここでは,これまでの失敗した経験を交えつつ,私が理想とする演習について述べてみたいと思います.

「演習」という授業は,発表者とコメントをする人(教員も含む)を中心として進みます.しかし,実際には,発表者と私だけがしゃべり,他の人は,夢と現実の世界を行ったり来たりしているか,現実の世界に見切りをつけて(?),夢の世界にどっぷりつかってしまっているかのどちらかになることが多いようです.まぁ,そうして,私が常々言っているところの「座敷わらし状態」になっても,出席したことにはなりますので,下手に口を開いて突っ込まれるより,ぼーっとしている方が安全だという気持ち,私もよく分かります.私自身が学生時代に経験した演習の中には,十数人の学生がいながら,聞こえるのは,担当の先生の鼻息だけ,しかも,それが延々10分も20分も続き,発言しようにも緊張のあまり口がカラカラに乾いて,口が利けないというようなものがありました.そういった経験から,沈黙は長くて1分,鼻息は不必要に出さない(笑)ということを自分の授業では実践していますが,結局,沈黙を長引かせないように私がしゃべってしまいますので,「演習」としては,失敗ということになるわけです.

演習でコメントを求めるのは,正しい答えを期待しているのではなく,みなさんがテキストを読んで,どういうことを感じ,どのような意見を持っているのかを知りたいからです.それによって,みなさんがどの程度理解しているかを知ることになりますし,また,「なるほど,そういう考え方もあるのか!」と,逆にこちらが教えられることもあります.そもそも,「正しい答え」というのがあるわけではありませんから,みなさんには,感じたことを堂々と述べてほしいと思います.また,発表者に,あるいは,全員に対して,「自分はこのように考えるのだけど,みんなの考えはどうか」と質問するのでも結構ですし,自分なりに調べてきたことを紹介するというのも大歓迎です.

テキストを読んで,何かを感じる,あるいは,何かに対して意見をもつには,そこに書かれている内容を自分の持っている知識と関連付ける力,あるいは,その内容に思いをはせる想像力が必要です.「つまんねぇ」「自分には関係ない」と思ったら,そこでおしまい,先には進みません.研究をする上で,「自分に関係ない」といろいろなことを切り捨ててしまうのは,実に勿体ないことで,そういう態度では,いい研究などできるはずがありません.「想像力」というのは,研究の原動力ではないかと思います.

授業には,発表者をいじめるというのではなく(いじめるのは私の役目です.笑),発表者が見落とした部分などを補って,一緒に授業を盛り上げるという姿勢でぜひとも臨んでほしいと思います.「自分は聞く側」という消極的な態度ではなく,「俺/私にもしゃべらせろ」「みんなの意見を聞きたい」という気持ちですね.自分なりに楽しみを見出しながら,出席してください.演習は,教員と学生の連帯感がなくては成り立ち得ません.結局は,発表者と教員しかしゃべらないという「二人演習」にならないことを切に望んでいます.

と,ここまで読んで,「よし,黙れというまでしゃべってやろう」という気持ちになれば幸いです.いや,何もそこまで過激じゃなくて結構です(笑).私のこれまでの経験からいいますと,6月の半ば辺りから,梅雨時と相俟って,ミョーなまったりとした雰囲気が漂うものですが,そのまったり感を追い払うよう,みなさんに協力してもらいたいと思います.ついでに,こちらの「裏番組」もよろしくお願いします.授業の2・3日後に,授業で述べたこと,あるいは,言い洩らしたことを書く予定です.

尚,発表に関しては,この「裏番組」の「よい発表とは」(2004年5月7日と8日.左上の「カテゴリ」で「授業」を選択すると出てきます)をご覧ください(少し加筆しました).
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by jjhhori | 2006-04-27 09:46 | 授業